最近好きなもの
寒さがより一層厳しくなり、とうとうエアコンの暖房をつけることにした。
世間は(映画界隈は)、ムーラボやフィルメックス、TAMA CINEMA FORUMなどの映画祭でにぎわう中、家にこもって職場やツイッターで勧められた映画をネトフリで観ようとするも、なかなか進まず。。『宇宙よりも遠い場所』をiPhoneで流しながらこの記事を書いている。
そんな中『南極料理人』をようやく観た。
『横道世之介』や『モリのいる場所』などの沖田修一監督。最近だと乃木坂46『地球が丸いなら』のミュージックビデオもこの方のワーク。これがまた素晴らしいのでぜひ。
南極料理人という題だけあって、この映画の旨味ポイントは何と言っても堺雅人演じる専属料理人が腕を振るう、数々の"料理"である。
『南極料理人』観た。フードスタイリストとして「かもめ食堂」や「海街diary」「カルテット」などの飯島奈美が担当。この方が手がける料理は、温かみのある"ごはん"って感じがして大好きだ。 pic.twitter.com/vMVkHdJbLe
— キムラ (@kimu_ra10) 2018年11月26日
南極という閉鎖的空間の中で生きていくためにはきっと、美味しい料理と娯楽とイベント行事が必要不可欠なのだ。麻雀やピンポンやボーリング、雪上野球(とかき氷)、テレビ体操のお姉さんの衣装に一喜一憂したり、バーカウンターでカクテルを作ったり...。彼らは気を抜きながらも全力で南極生活を楽しんでいる。そんな姿が羨ましくて仕方がない。いつか民間派遣隊として、南極に行ってみたい、とまで思ってしまう。
そんな中またも乃木坂の卒業。西野七瀬、若月佑美、能條愛未につづき、とうとう川後陽菜さんまでもが...つらい。来月20日のアンダーライブ東京2日目が彼女の最後の活動とのこと。一期生がだんだんと旅立っていくのは、応援したいと思う反面、あふれんばかりの刹那を感じてしまう。まさに”刹那”を纏った、彼女たちの危うさと美しさに、我々はときめきを感じてやまない。こんな状況だと分っていながらも、小沢健二のアルバム『刹那』を引っ張り出してきて「さよならなんて云えないよ」を聴いてしまう。
タモリ氏も絶賛したこの曲の歌詞。中でも、
左へカーブを曲がると 光る海が見えてくる
僕は思う!この瞬間は続くと!いつまでも
くだらないことばっかみんな喋りあい
街を出て行く君に追いつくようにと強く手を振りながら
「おわり」はその瞬間から「はじまり」になる。”何もない時間”など存在しなくて、ずっと続いている。それを、残る者たちは全力で手を振って見送る。きっとそれだけでいいはず。それだけで立派な、愛の話だ。
そして、なんだかんだ「帰り道は遠回りしたくなる」はキラーチューン。何度も聴いてしまう。
青春にはどうしたって”無駄”が必要だ。時間をかけて、自分のなかの悶々としたものを汗や涙で流していく。「遠回り」というワードにはそんな”もどかしさ”が一杯に詰まっている。「遠回り」そして「帰り道」と聞いたらこの曲を思い出さずにはいられない。
イタズラな天気雨がバスを追い越して
オレンジの粒が街に輝いている
遠回りをした自転車の帰り道
背中にあたたかな鼓動を感じてた
ー(オレンジ / SMAP)
帰り道や遠回りのみならず、「天気雨」「バス」「自転車」「鼓動」... 淡すぎる。SMAPの楽曲はいつだって僕らの (ある種、理想としている) 、”あの頃”を代弁してくれる。西野七瀬さんはこんな曲を、例によって微笑みながら歌い上げるからもう本当にズルい。彼女の卒業発表時、tohubeats氏をはじめ、シャムキャッツ夏目さん、ココナッツディスク吉祥寺の矢島さんまでもがSNSで悲しみの意を表していた。そんなアイドル、もう出てこないんじゃないんですかね...。